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公開日: 2026/10/26 更新日: 2026/10/27

BtoB ECのDXが進む企業の共通点|取引と経営の判断軸

Web受注が増えても、確認や転記が残れば、取引の進め方は変わりません。BtoB ECのDXでは、機能数よりも、顧客の購買と社内の運営をどう変えているかが着眼点になります。本記事では、部品・資材などの物販を扱う企業の経営層・責任者に向けて、公開事例とDX経営の考え方から四つの特徴を整理します。

この記事のポイント

  • 顧客の購買手続きと、売り手の受注・供給をつなげて捉える。
  • 部門をまたぐ判断の責任を明確にし、成果を次の改善につなげる。
  • 先行企業から学ぶのは製品や規模ではなく、取引を変える考え方。

BtoB ECのDXを進める企業に見られる四つの特徴

以下は公開施策とDX経営の考え方を基にした本記事の整理です。先行企業すべてに共通する条件を統計的に示すものではありません。

顧客の判断・申請から売り手の受注・供給へつながる同じ取引を、判断の責任と結果からの改善が支える概念図。

顧客の購買プロセスを起点に設計する

商品を探す画面だけでなく、購入判断や社内申請、発注までを進めやすくする視点です。ミスミのmeviyでは、対応範囲内の部品について、3D CADデータから価格や出荷日を確認でき、設計側の判断を支えます。

MonotaROとTradeshiftの2022年5月の連携発表は、商品選択を顧客の購買申請・承認手続きとつなぐ例です。当時の公表内容であり、現在の提供条件全体を示すものではありません。両者に着目すると、顧客が取引を先へ進めるための障害を減らす方向が読み取れます。

関連記事:BtoB ECでは、なぜ従来の営業・受注モデルだけで競争力を維持できないのか?

受注から供給までを一体で捉える

買い手が発注できることに加え、売り手が約束した条件で履行できることも重要です。画面上の価格・在庫・納期と、受注・出荷側の情報が食い違えば、注文後の再確認や調整が残ります。

MonotaROの2026年12月期の方針には、購買管理システムとの連携やWebサイトの改善とともに、配送ネットワーク・サプライチェーンの強化が示されています。顧客接点と供給側を合わせて捉える点が着眼点です。ただし、方針は各施策の効果を示す実績とは区別します。

すべての情報を即時連携する必要はありません。顧客への回答に必要な情報の鮮度と、更新・連携を維持する負担の釣り合いを考えます。

関連記事:ECバリューチェーンの変化|BtoB・BtoCで価値はどこへ移るか

部門をまたぐ判断の責任を明確にする

販売機会を広げたい営業側と、在庫や出荷能力を守る物流側では、優先事項が異なることがあります。調整を担当者間に任せるだけでは変更が止まりやすいため、事業側が優先順位を定め、欠品時の代替提案や納期変更を判断する責任者を明確にします。

IPAのデジタルガバナンス・コード3.0の解説も、経営ビジョンとDX戦略のつながり、経営者の主導、具体的なアクションやKPIを重視しています。ここでの責任分担は、その考え方をBtoB ECに適用した提案であり、前述の企業の内部体制を推定したものではありません。

成果を次の改善につなげる

導入後も、顧客の手間と社内の処理負担・採算を見て、施策を見直す視点です。顧客の手続きが簡単になっても、個別対応が増え続けるなら、そのまま拡大できるとは限りません。数値の報告で終わらず、結果を次の変更に使うことが、改善を続ける組織の特徴と考えられます。

たとえば、納期照会が減らなければ、顧客が迷う理由を調べ、表示内容や回答の運用を見直します。その変更後も照会の状況を確かめることで、測定が改善につながります。

関連記事:BtoB ECのデータ活用はなぜ競争優位になる?取引と採算の判断軸

先行企業から学ぶ考え方と、自社への適用範囲

先行企業から学ぶ際は、顧客のどの手間を減らし、社内のどの分断を解消しているかに着目します。同じ考え方でも、必要な仕組みは取引によって異なります。規格品の反復注文では入力や確認の重複を減らし、仕様確認を伴う案件では専門家の判断を後続の受注へつなぐことが重要になります。

営業の関与を減らすことや連携範囲を広げることを一律の目標にせず、専門判断の価値と運営負担に合わせて、デジタル化・連携の範囲を選びます。AIや大規模な基幹刷新の採用自体を、DX進捗の条件に置く必要はありません。

おわりに

BtoB ECのDXで注目したいのは、個々の機能を増やすことから、取引全体を変え続けることへの広がりです。まずは自社の代表的な取引について、顧客側と社内側のどこに負担や分断が残るかを考えてみてください。

YopazのITコンサルティングでは、業務・データ・判断の責任をお客様と整理し、システムと運用で見直す範囲の検討を支援します。受発注の仕組みを見直す際は、Yopazへご相談ください。

よくあるご質問

Q

Q.中小企業も、大手と同じ規模の仕組みを目指すべきですか?

A

A.同じ規模を目標にする必要はありません。顧客や商材、取引量が近い部分を参考にし、限られた対象でも負担を減らせるかを考えます。大手の投資額や機能数を、自社の到達基準にすることは避けます。

Q

Q.既存のBtoB ECサイトを全面刷新しなければDXは進められませんか?

A

A.全面刷新が前提ではありません。既存機能の設定、他システムとの連携、業務ルールの変更で課題を解消できる場合もあります。まず変えたい取引を明確にし、必要な対応範囲を判断します。

Q

Q.すべての商品・顧客の取引をデジタル化する必要がありますか?

A

A.一律に進める必要はありません。標準的な注文と個別相談が必要な案件を分け、対面や電話を残す選択もできます。チャネルが異なっても、合意した条件が受注・供給へ引き継がれることが重要です。

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