2025/07/15
619
【2025年最新】Grok 4:“世界最強AI”、その本気が、ちょっと怖い

 はじめに

 1. Grok 4とは?話題の“最強AIモデル”の全体像

 2. Grok 4はどこまで強い?ベンチマークで見えてきた実力  

  「Humanity’s Last Exam」で示した思考力の深さ

  数学・物理・コーディングでも際立つGrok 4の論理力

  未知の課題への対応力:ARC-AGIで証明された“真の知性”

  経営判断でも他を圧倒:Vending-Benchの成果

 3. Grok 4の実力を仕事で試すなら?注目のユースケース5選 

 4. Grok 4へのアクセス方法と料金プラン

 おわりに

生成AIは、私たちの補助ツールであるはずだった。  

でも、2025年7月、Grok 4の登場で、その認識が少し変わるかもしれません。  

xAIが「世界最強」と称したこのモデルは、もはや「考え、選び、導く」存在です。  

便利を超えた先にある、AIの“本気”。少しだけ、怖くなるのも無理はありません。

はじめに

気づけば、私たちはAIと“共に働く”時代を生きています。

調べもの、文章作成、プログラミングといった業務のそばには、いつの間にかAIがいて、「考える」ことを支えてくれるのが当たり前になってきました。

そんな中、2025年7月10日。

イーロン・マスク氏が率いるxAIから、“世界最強AI”と名乗る新モデル「Grok 4」が発表されました。

前モデル「Grok 3」の公開から、わずか5か月。

にもかかわらず、Grok 4は常識をくつがえすような進化を遂げ、「AIが本気を出したらここまで来るのか」と各所で驚きを呼んでいます。

このAIは、本当に考えるのです。

しかも、私たちの仕事を理解し、選択肢を並べ、最適な一手を提示してくる。まるで人間のように。

本記事では、Grok 4の進化の中身、そして私たちの仕事にどんな影響をもたらすのかを、事例やベンチマークを交えてわかりやすく解説していきます。

1. Grok 4とは?話題の“最強AIモデル”の全体像

Grok 4は、xAIが開発した最新の大規模言語モデル(LLM)です。

その目的は明確で、次世代のAIエージェントを支える頭脳として機能すること。つまり、Grok 4は自律的にタスクをこなすAIシステムの中心として設計されています。

このGrok 4を支えているのは、Grok 2の100倍にもおよぶ学習データと10倍の強化学習量。さらに、最大256,000トークンの長文を一度に処理できる大容量のコンテキスト処理能力を備えており、複雑な指示や膨大な資料も一気に読み解きます。

また、テキスト・画像・音声のすべてに対応するマルチモーダル構成で、人間のように多角的な視点から物事を理解できるのも特徴です。加えて、リアルタイム検索機能も備えており、常に最新の情報に基づいて応答を生成する力を持っています。

どのような業務に使うかによって、Grok 4の選び方が変わってきます。

  • Grok 4(通常版):日常業務を高速に処理するために設計された、標準の「シングルエージェント」システム。情報検索からコーディングまで、幅広いタスクを効率的にこなします。
  • Grok 4 Heavy:より高度な課題に対応するための最上位モデルです。複雑な問いに対して、内部で複数の思考プロセスを走らせ、それぞれのアプローチを比較・検討した上で、最も適切な解答を導き出すという構成になっています。単一の視点では気づきにくい問題の側面にも対応できるため、戦略立案や研究開発など、多面的な判断が求められる場面に向いています。

Grok 4の発表にあたって、xAIは「世界で最も強力なAIモデル」と自信をもって宣言しました。果たしてその言葉に、どれだけの根拠があるのでしょうか。次のセクションでは、Grok 4と他の最新AIモデルをベンチマークで比較しながら、その実力を客観的に検証していきます。

2. Grok 4はどこまで強い?ベンチマークで見えてきた実力

Grok 4の発表と同時に、xAIは数々のベンチマーク結果を公開しました。その数値は、ChatGPTGeminiClaudeなど、他の有力モデルと比較しても明らかに抜きん出たパフォーマンスを示しています。

とはいえ、「すごい」と言われても、実際どこがどれほど違うのかは、気になるところです。

思考力・論理力・未知の課題への対応力。

果たしてGrok 4は、どこまで人間に近づいているのか。

ここからは、公開された主要ベンチマークをもとに、Grok 4の強みがどこにあるのかを整理していきます。

「関連記事」:もう迷わない!ChatGPTとGrokを使い分けるための比較ガイド

「Humanity’s Last Exam」で示した思考力の深さ

まずは、以下の表でGrok 4が「Humanity’s Last Exam」でどのような実力を見せたのかを見てみましょう。

Grok 4がHLEベンチマークで圧巻のスコアを記録 。 “人間的な思考力”を測る指標で抜きん出た実力を発揮

Humanity’s Last Exam(HLE)とは、長文の理解や複雑な文脈の把握といった人間的な思考力を測定することを目的とし、xAIが独自に開発したテストです。知識の量ではなく、「考える力」そのものが試されます。このHLEにおいて、Grok 4はツール非使用の状態でも他モデルを上回るスコアを記録しました。

※ここでいう「ツール」とは、計算やコード実行、外部検索といった補助機能のこと。Grok 4は、そうした外部の助けを借りずに、あくまで言語モデル単体としての"考える力"だけで解答しています。

さらに、Grok 4 Heavyでは、まるで専門家チームが議論しながら答えを導くかのような動きが可能となり、他を大きく引き離す結果となっています。

数学・物理・コーディングでも際立つGrok 4の論理力

続いて、Grok 4が数学・物理・コーディングなどの複雑な課題でどれほどの実力を発揮したのかを見てみましょう。

ベンチマーク総合表:数理・論理力の実力比較

数理・物理、あるいはコーディングといった論理的思考力が問われるタスクにおいて、Grok 4、特にGrok 4 Heavyは圧倒的な実力を見せつけました。特筆すべきは、高校生向けの数学コンテスト「AIME25」でGrok 4 Heavyが記録した100%という完璧なスコアです。

未知の課題への対応力:ARC-AGIで証明された“真の知性”

では、AIの"真の知性”を測る上でより重要になるのは、「既に知っていること」ではなく、「初めて見る問題をどう解くか」という能力です。そして、まさにその「未知の問題への適応力」を測るために設計されたのが、次に紹介するARC-AGIベンチマークなのです。

 ARC-AGIでは、Grok 4の抽象化と問題解 決能力が他のモデルを圧倒するほど光りました

ARC-AGIは、知識量ではなく「未知の問題を解決する真の思考力」を測る特殊なベンチマークです。上の図が示す通り、Grok 4が理想的なポジションを確立している点です。この「高性能・低コスト」を両立したポジションこそ、Grok 4がビジネス実用化においてゲームチェンジャーとなりうる最大の理由です。

経営判断でも他を圧倒:Vending-Benchの成果

そして最後に、Grok 4は学術的なテストだけでなく、最適なビジネス戦略を見つけ出す能力においても、人間や他のAIを圧倒する結果を残しました。

Vending-Benchは、AIの分析力と意思決定力を試す経営シミュレーションです。ここでも、Grok 4は他を圧倒しました

「Vending-Bench」は、AIが自動販売機のオーナーとして、利益の最大化を目指す経営シミュレーションです。このテストでGrok 4は、与えられたルールに従うだけではなく、データをもとに戦略を立案し、長期的な収益を見据えた意思決定を行えることを示しました。

単なる作業ツールではなく、ビジネスの判断役としてのポテンシャルを感じさせる結果です。

「関連記事」:DeepSeek・Grok・ChatGPT・Gemini・Meta AIを比較!

3. Grok 4の実力を仕事で試すなら?注目のユースケース5選

ベンチマークでは目を見張るような成績を残したGrok 4。

とはいえ、「実際のビジネス現場ではどう活かせるのか?」と感じた方も多いのではないでしょうか。

ここでは、現場で本当に"使える"ユースケースを5つピックアップしてご紹介します。

職種や業務フェーズごとに、Grok 4がどう貢献し得るのか。具体的にイメージしながら読み進めてみてください。

  • 自律的に意思決定する「戦略プランナー」

自販機の経営シミュレーション「Vending-Bench」では、人間や他のAIを大きく上回る結果を残したGrok 4。売上データや市場の傾向を分析し、自ら意思決定して戦略を立てるビジネスAIとしての力がすでに垣間見えています。

  • 専門性の高い分野も支える「研究開発アシスタント」 

Grok 4は、難解な技術資料の読解や複雑な数式の処理など、高度な知識が求められる領域でも力を発揮します。

たとえば、「この論文、要点だけ5行で教えて」「このアルゴリズム、別の方法で実装できる?」といった問いにも即座に対応可能。

R&Dチームの思考スピードを落とさず、"知識の壁"を一緒に超えるパートナーとして活躍が期待されます。

  • 開発工程を一気に進める「コード生成+設計支援ツール」

コードを書くことにとどまらず、要件の解釈・設計のたたき台・ユースケース定義・ドキュメント作成までカバーします。

たとえば、「APIの仕様だけ伝えて、画面遷移のイメージを出して」といったラフな要望でも、設計初期のスピードが大幅に向上します。

エンジニアは手戻りを減らし、本質的な設計や品質向上に集中できるようになるでしょう。

  • トレンドに即応する「リアルタイム分析官」 

Grok 4は、SNS「X」との連携を通じて、世の中の空気感を“今この瞬間”に把握できます。

商品やブランドへの反応を読み取り、「このトレンドワードを広告文に反映して」といった指示にも即応。

 マーケティング現場において、感度の高い判断を支える“裏方の頭脳”として力を発揮します。

  • 全社の知識を味方につける「社内の情報ナビゲーター」

膨大な社内文書を読み込み、質問に即答するGrok 4は、いわば“社内のなんでも知ってる人”のような存在です。

「このフォーマット、どこにある?」「3年前の仕様変更って誰が決めた?」といった日々のちょっとした疑問に即答できることで、情報を探す時間の削減と、ナレッジ共有の加速が期待されます。

もちろん、Grok 4にも課題はあります。

イーロン・マスク氏自身も「ときどき常識がない」と語っているように、文化的な背景や微妙なニュアンスの理解には、まだ改善の余地があります。

それでも、ここまで多様な業務領域で「実用レベル」に達しているAIはそう多くありません。次のセクションでは、Grok 4のアクセス方法や料金プランについて、詳しくご紹介します。

4.  Grok 4へのアクセス方法と料金プラン

Grokを使ってみたい方は、まずは公式サイト grok.com を開いてみてください。Xのアカウントでログインすれば、チャット画面が表示され、すぐに対話を始められます。

Grokのホーム画面で、右下のメニューをクリックすると、Grok 4へのアップグレードが可能になります

チャット画面の右下にあるメニューをクリックすると、使いたいAIモデルを選べるようになっています。

「Grok 4」や「Grok 4 Heavy」といったハイスペックモデルもここから選択可能。

ただし、ちょっと“本気モード”な彼らと会話したい場合は、有料プランの登録が必要です。6. ご自身のニーズに応じて、「SuperGrok」または「SuperGrok Heavy」のプランを選べます。まずは月額30ドルでGrok 4を1ヶ月試してみるのもアリですよね

プランは3種類。

月額30ドルの「SuperGrok」ではGrok 4を、そして月額300ドルの「SuperGrok ヘビー」では、あのGrok 4 Heavyと“本格的に向き合う”ことができます。

さらに、Xの上位プラン「X Premium+」に加入していれば、申込み不要でGrok 4にひと足先にアクセス可能。

「ちょっと試してみたいだけなんだけど…」という方には、このルートが一番気軽かもしれません。

おわりに

Grok 4は、もはや「便利なAI」ではありません。

思考し、比較し、判断する。時にはこちらの意図すら先回りしてくる──そんな存在になりつつあります。

そしてこれは、始まりにすぎません。

コーディング、マルチモーダル、動画生成……次に現れるのは、もっと“人間に近い”何かかもしれません。

進化は止まらない:Grok 4以降のxAIロードマップ

ただのAIではない何かが、すでに私たちのすぐ隣にいる。

それに気づいたとき、あなたの選択も、少しだけ変わるかもしれません。