応援の職人を入れても、引渡し予定が戻らない。建設会社の工事責任者に向けて、工事の遅れが人手不足によるものか、着手条件がそろわないためかを見分ける方法を解説します。
この記事のポイント
工程表に残作業が多くても、前工程や作業場所の制約で同時に着手できる仕事が増えなければ、増員しても工程は進みにくくなります。
例えば、天井を施工する三つの区画のうち二つが設備検査待ちだとします。残り一区画を既存の班で施工できるなら、応援の班が資材を準備しても、その日に次工程へ渡せる区画が増えるとは限りません。
現場の条件待ち。 前工程の検査・是正、資材の搬入、揚重設備や作業場所の空きを確認します。設備や作業場所を共用している場合は、どの工種の作業が終われば、次の班が安全に着手できるかを確認します。
図面や変更の判断待ち。 施工用図面の版と変更範囲を確認します。技術確認と費用・工期の合意で担当が異なる場合は、誰の判断が必要かを明確にします。判断責任と工程の関係は、建設業の業務プロセスを整理した記事で解説しています。
作業時間帯や引渡し条件を現場だけで変えられない場合は、受発注者などと調整します。適正な工期を考える際の参照資料として、中央建設業審議会の「工期に関する基準」があります。
着手条件がそろわなければ段取りを調整します。安全に並行できる作業が繰り返し残り、必要な技能と監督体制を確保できる場合は、増員を検討します。

一工区で記録する。 予定作業、着手条件がそろった時刻、実際の着手時刻、待ちの理由、次工程への引渡し量を日報と工程表に残します。着手条件がそろっても開始が遅れる場合は、その間に何を待っていたかを確認します。
条件待ちなら段取りを変える。 検査・搬入の枠や引渡し順を調整します。判断待ちなら、決める人、必要資料、回答期限をそろえ、条件が確定した区画を先に渡せるか確認します。必要な確認と安全な作業間隔は確保します。
着手できる作業が残るなら増員を試す。 不足する技能と時間帯を指定します。同程度の条件で、引渡し量、受け入れ・指示・調整にかかった時間、手戻りを比較します。検査待ちが増えたら、検査の受け入れ枠を見直します。
次の工程会議では、遅れが出ている工区を一つ選び、未着手の作業を「条件待ち」と「着手可能だが未消化」に分けてみてください。条件待ちなら段取りを見直し、着手できる作業が残る場合は、人手や技能の不足が原因かを確かめたうえで増員を検討します。
複数の工区で、引渡しや判断を待つ状況が繰り返されていませんか。引渡しの条件や判断する担当者を明確にし、どこから改善すべきか整理したい場合は、Yopazにお問い合わせください。
A.着手から検査、次工程への引渡しまでを一巡確認できる期間を取ります。天候や資材に変更があった日は条件を記録し、通常時と分けて比較します。
A.着手できる工区の中から、引渡しによって後続作業が最も進む工区を優先します。遅れが大きくても条件待ちの工区は、先に段取りを調整します。
A.教育・安全上の要件に沿って、指導下で任せる作業と熟練者が担う作業を分けます。指導で熟練者が持ち場を離れる時間を見込み、工程回復と育成は別に計画します。