2025/05/16
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AI検索エンジン「Perplexity」とは:特徴・活用例・選び方

Perplexity AIは、生成AIと検索エンジンの特性を組み合わせ、「正確な情報を素早く得たい」というニーズに応える情報探索ツールです。 本記事では、基本機能、業務別の活用例、料金プランの選び方までを分かりやすく解説しています。「情報収集をもっと効率化したい」と感じたことがある方は、ぜひ参考にしてみてください。

 目次

 1. Perplexity AI:注目される理由と基本機能の全体像

 2. Perplexityが調査業務に強い理由

 3. 活用例で見るPerplexityの活用法

 4. Perplexityを使う際の注意点

 5. 料金プランと利用シーンに応じた選び方

 6. 今後の情報収集を支える、新たな選択肢として

はじめに

最近、業務でChatGPTを使って情報をまとめる機会がよくあります。便利ではあるのですが、正直なところ「これ、本当に正しいのかな?」と思うことが少なくありません。出典がないまま、もっともらしい情報が返ってくることもあって、ちょっと不安になるんですよね。

そんなモヤモヤを上司に話してみたところ、「だったら、Perplexity AIを試してみたら?」とすすめられました。半信半疑で触ってみたのですが、出典付きで必要な情報を的確に整理してくれる点に驚かされました。「こういうAIこそ、実務で役立つ」と感じたのは久しぶりです。

この記事では、Perplexity AIの特徴や他の生成AIとの違い、業務シーンでの活用例を整理しています。信頼できる情報を効率よく集めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

Perplexity AI:情報収集や調査の効率を高める特長

  • リアルタイムでの検索と情報の要約
  • 出典付きで信頼性のある回答
  • Copilotによるテーマの深掘り支援
  • 個人・企業それぞれに適した柔軟な料金プラン

有力な選択肢となるはずです。まずはその使い心地を、実際に確かめてみてはいかがでしょうか。

1. Perplexity AI:注目される理由と基本機能の全体像

Perplexity AIは、2022年8月にOpenAIやMeta、Quora出身のメンバーによって立ち上げられたAI検索エンジンです。ChatGPTのような対話型AIとは異なり、検索・調査に特化した「答えを導くためのAIツール」として開発されました。

新しいツールというよりは、2023年を通じて徐々に注目を集め、特に2023年前半から後半にかけて実力派として知られるようになったと言えるでしょう。

 Perplexityの月間アクセス推移

リアルタイム検索や出典付き回答、Copilot機能など、業務用途に適した機能が次々と追加され、ユーザー数も急増しました。さらに、Claude 3やGPT-4などの複数モデルに対応している柔軟性や、洗練されたUIも評価されています。

なお、ChatGPTDeepSeekのように派手さはないものの、着実にユーザーの支持を集めています。実際、2025年4月時点での月間アクセス数は1億2537万回を超えており、業務での実用性を重視するユーザーにとって、有力な選択肢の一つとなりつつあります。

2. Perplexityが調査業務に強い理由

Perplexityは生成AIと検索エンジンの中間に位置し、「調べたい情報に素早く、かつ正確にたどり着く」という課題を解決するアプローチをとっています。では、そうした調べるためのAIを実現するために、どのような機能が備わっているのでしょうか。ここでは、Perplexityを特徴づける3つの強みをご紹介します。

リアルタイム検索と出典付き回答: Perplexityは、Web上の最新情報をもとにリアルタイムで回答を生成し、その根拠となる出典を明示してくれます。ニュース記事や調査データ、企業サイトなどへのリンクが提示されるため、ユーザー自身が情報の信頼性を確認しながら活用できます。ChatGPTのように「それらしい回答」が返ってくるだけでなく、「何を根拠にそう言っているか」が明確な点が大きな違いです。

Copilot機能による検索ナビゲーション: Perplexity AIのCopilotは、ユーザーの質問内容に応じて関連する追加質問や検索方向を提案してくれる機能です。「もう少し詳しく知りたい」「別の角度からも調べたい」といったニーズに対し、自然な対話形式で検索の流れをサポートしてくれます。たとえば、「ESGとは何か?」という質問に対して、「ESG投資の具体例」や「日本企業のESG戦略」など、次に深掘りすべき観点が提案されることもあります。従来の検索エンジンでは、自分でキーワードを再考する必要がありましたが、Copilotなら調査の流れを止めずに深掘りが可能です。

マルチモデル対応で多角的な視点を確保:Perplexityでは、GPT-4やClaude 3、Mistralなど複数の生成AIモデルを選択して使うことができます。これにより、「事実重視で答えてほしい」「より創造的な表現がほしい」など、目的に応じた使い分けが可能になります。複数モデルのアウトプットを比較することで、より広い視点から情報を検討できるのも魅力のひとつです。

まとめ:Perplexityでは、GPT-4やClaude 3、Mistralなど複数の生成AIモデルを選択して使うことができます。これにより、「事実重視で答えてほしい」「より創造的な表現がほしい」など、目的に応じた使い分けが可能になります。たとえば、Claudeは文脈理解に優れており、複雑なテーマでも丁寧に要点を整理してくれる傾向があります。調査テーマや求める回答のトーンに応じてモデルを選べることは、実務の精度と再現性を高めるうえでも大きなメリットです。

Perplexityの強みは、リアルタイム検索、Copilotによる検索ナビゲーション、マルチモデル対応の3つ。

3. 活用例で見るPerplexity AIの活用法

ここまでで、Perplexityの役割や主要な機能について整理できました。このあとは、Perplexityが対応できる業務タスクの例を挙げながら、IT・メディア・ホテル・ECなど、業界別の具体的なユースケースもご紹介します。

3.1. Perplexity AIでできることの全体像

Perplexity AI は、単に質問に答えるだけでなく、「調べる」「比べる」「深掘りする」といった情報探索に関わる幅広いタスクを効率化してくれるツールです。特に以下のようなシーンで効果を発揮できます:

  • テーマの全体像を把握したいとき:「◯◯とは何か?」という基本的な問いに対して、出典付きで要点を整理しながら解説してくれます。

  • 海外や他業界の動向を調べたいとき: 英語ソースにも対応しているため、グローバルな視点で情報を比較可能です。

  • 複数の情報源から共通点や違いを見つけたいとき:プロ Search機能を使えば、複数サイトからの情報を一括で比較・統合できます。

  • 曖昧なキーワードから徐々に絞り込みたいとき:Copilotが自然な対話形式で検索意図を深掘りし、検索の方向性を整えてくれます。

  • 回答の精度やトーンを比較したいとき:モデルを切り替えることで、異なる視点からの情報取得が可能です。

このように、調べ物の初期段階からアウトプット作成までを一気通貫で支援してくれる点が、Perplexityの大きな強みです。たとえば、調査の目的や情報のトーンに応じて、GPT-4 Omni・Claude・Mistralなどのモデルを使い分けることで、アウトプットの質をさらに高めることもできます。

3.2. Perplexityの業界別活用アイデア4選

上記のように、Perplexity AIはさまざまなタスクで活用できますが、実際にどんな業務シーンで使われているのでしょうか?このセクションでは、IT・メディア・ホテル・ECなど、業界ごとの代表的なユースケースをご紹介します。

IT・開発部門: 新しいフレームワークやライブラリの比較、API仕様の確認、海外の技術記事の調査など、日々のキャッチアップ業務で活用されています。 あるソフトウェア企業では、Perplexityを使って技術動向を短時間で把握できるようになり、情報収集にかかる時間が大幅に削減されたそうです。

マーケティング・SNS運用: トレンドや競合分析、記事構成のアイデア出し、出典確認を伴うコンテンツ準備などに活用されています。 実際に、あるマーケティングチームでは、リアルタイムの市場トレンドを分析するためにPerplexityを導入し、キャンペーン設計のスピードと精度が上がったという声もあります。

ホテル・観光業:顧客レビューの要約、近隣イベントの情報収集、訪日外国人の動向チェックなど、現場オペレーションと企画の両面で役立っています。例えば、あるホテルでは、海外ゲストの口コミをPerplexityで分析し、ニーズに合わせたサービス改善につなげているとのことです。

Eコマース / 小売業:類似商品の比較、レビュー分析、商品説明文の作成など、日常的な商品運用に組み込まれるケースも増えています。オンライン小売の現場では、説明文を見直す際にPerplexityを活用し、CVR改善に貢献したという実例も出ています。

「検索に時間がかかる」「情報の信頼性が気になる」といった日々の課題に対して、Perplexityは実用的かつ自然な解決策を提示してくれます。業界や職種を問わず、調べ物のプロセスを効率化するツールとして、着実に支持を広げているのも納得です。なお、実際に活用するうえでは、自社の業務や目的に応じた使い方を選ぶことが重要です。 次のセクションでは、料金プランや利用スタイルの違いについても整理していきます。

4. Perplexityを使う際の注意点

調査を効率化する上で非常に有用ですが、限界もあります。このセクションでは、Perplexityを業務で活用する際に注意しておきたい次の3つのポイントについて解釈します:

  • 回答の正確性をどう見極めるか(ファクトチェックの習慣)
  • Copilotやモデル切替機能の特性を把握し、状況に応じて使い分ける

4.1. 出典付きとはいえ、情報の鵜呑みはNG

Perplexityは出典付きで回答を提示してくれるのが大きな特徴ですが、リンク先の情報が常に正確・中立とは限りません。とくに、ブログ記事やニュースソースの場合、筆者の主観や古い情報が混ざっているケースも少なくありません。

つまり、「出典がある=正しい情報」ではないという前提で、内容の整合性や一次情報の裏付けを取る姿勢が求められます。 業務用途では特に、複数の出典をクロスチェックしながら活用することが推奨されます。

4.2. Copilotやモデルの使いこなし

また、Perplexityを使いこなすうえで、Copilot機能やAIモデルの選択も重要なポイントです。  Copilotはユーザーの質問をもとに関連テーマを提案してくれますが、その精度は入力の具体性とモデルに左右されます。  質問を丁寧に設計することで、検索の方向性がより明確になり、深掘りしやすくなります。  

4.3. まとめ:精度の高い活用には「リテラシー」が不可欠

調査のプロセスを劇的に効率化できるツールですが、出力の正しさを見極める力や、機能を適切に使い分ける工夫が欠かせません。信頼できる結果を得るためには、「AIを使いこなすユーザー側の視点」が重要なカギとなるのです。

次のセクションでは、こうした使い方に応じた料金プランや導入スタイルについて整理していきます。

5. 料金プランと利用シーンに応じた選び方

Perplexity AIは、利用目的や業務スタイルに応じて柔軟に使い分けられるプラン設計になっています。「とにかく早く調べたい」「出典をもとに資料を作りたい」「チームで安全に使いたい」など、ニーズの幅に応じた選択肢が用意されており、業務のフェーズや役割に合わせて最適な使い方を選ぶことができます。このセクションでは、各プランの違いと、それぞれがどのようなシーンに適しているかを整理していきます。

5.1. 目的に応じたプランの選び方(無料/有料)

Perplexity AIには、無料で始められる「フリー」と、より高度な機能を備えた「プロ(月額20ドル)」の2種類のプランがあります。それぞれの主な違いは以下のとおりです。

Perplexity AI におけるフリープランとプロプランの主な違い|出典:Perplexity

上記のとおり、フリーは気軽に試せるベーシックな構成、プロは調査業務に必要な機能を網羅した上位プランとなっています。では、自分にはどちらが合っているのか。目的別に選び方を見ていきましょう。

5.2. 目的から見たフリー/プロの活用シーン

フリープランが向いているケース:業務での利用がまだ限定的であったり、まずは手軽に試してみたいという場合には、フリープランが適しています。たとえば、週に数回の簡単な調べ物や、資料作成前の大まかな情報収集に使う程度であれば、無料の範囲でも十分に対応できます。また、「Copilotを少し触ってみたい」「出典付きAI検索がどんなものか体験してみたい」といった軽いニーズにもフィットします。

プロプランが向いているケース:一方で、検索の精度やスピード、柔軟性を重視したい場合は、プロプランの方が適しています。たとえば、出典付きで正確な情報をすばやく収集したいケースや、複数の情報源を比較・統合したいとき、英語ソースや専門トピックを深く掘り下げたい場合などが挙げられます。モデルを切り替えながら最適なアウトプットを検討したり、社内資料や対外プレゼンで信頼性の高い情報を求めるシーンでも、プロの方が成果に直結しやすいと言えるでしょう。

また、「とりあえず無料で試して、必要になったらプロへ」という導入ステップが取りやすいのも、Perplexity AIの魅力です。使いながら自分にとって必要な機能を見極められるので、無理なく導入判断がしやすくなります。 

5.3. お見逃しなく:エンタープライズプランという選択肢

もし、チームや部署単位での導入を検討している場合は、Enterprise向けプラン(月額40ドル/人〜)も選択肢に入ります。 プロプランのすべての機能に加えて、SSO対応、ユーザー管理、ファイルの自動削除(7日以内)といった高度なセキュリティ機能が搭載されており、SOC 2にも準拠しています。

実際には、プロアカウントをチーム内で共有しながら活用しているケースも見られますが、 セキュリティやアカウント管理の観点から、複数人での運用が前提となる場合にはEnterpriseプランの方が安心です。

このように、Perplexity AIは、個人利用からチーム導入まで柔軟に対応できるプラン設計になっており、情報活用の幅をより広げてくれるツールです。

6. 今後の情報収集を支える、新たな選択肢として

つまり、Perplexityは生成AIと検索エンジンの長所を掛け合わせることで、「正確な情報にすばやくたどり着きたい」「根拠のあるデータをもとに判断したい」といったビジネス現場のニーズに応える、実用性の高いAIツールです。調査や資料作成のプロセスそのものを効率化できるだけでなく、「調べながら深掘りする」という新しい情報探索スタイルを自然に実現してくれる存在として、今後ますます注目が集まることでしょう。

あなたの業務にとって、Perplexity AIはどんな場面で活躍できそうでしょうか? まずは無料で試して、その価値を体感してみるのも一つの方法です。情報収集における次の一手として、ぜひ活用を検討してみてください。