2026年、ベトナムDX・AI市場は拡大します。
ただ、コストとガバナンス対応が重くなり、
導入の成否は「早い者勝ち」ではなく「運用まで回る設計ができるか」で決まります。
この状況でYopazが選ぶ優先順位を、具体例を交えて示します。
2026年のベトナムDX・AIは、「市場の伸び」だけでは語れません。
成長に加えて、国の投資、生成AI・AIエージェントの業務浸透、ルール整備コスト圧力の5点で、何が起きているのかを整理します。
ベトナムのAI市場は、2024年に7.525億USD、2033年に28.067億USDへ伸びる見通しです(CAGR 14.96%)。
また、約500社・団体の調査に基づく「Vietnam AI Annual Report 2025」では、AIの供給側と需要側がどの領域に集中しているのかが見えてきます。
2025年版「e-Conomy SEA」レポートによると、ベトナムは東南アジアの中でもAIの利用度とユーザーの信頼が高い国とされています。ベトナムでは、ユーザーの81%が日常的にAIとやり取りしており、96%がデータ共有に前向きです。
つまり、ベトナムのAI市場は中長期で拡大が見込まれます。
政府は、科学技術・イノベーション・デジタル変革に、今後5年間で国家予算の3〜4%を充てる方針です。併せて、社会全体で100〜150億USD規模の投資を呼び込み、GDPへの寄与を少なくとも5%に高めるとしています。
2026年の焦点は、生成AIが単なる対話支援を越えて、日々の業務手順そのものに組み込まれていくことです。
たとえば金融では、アプリ内で検索や手続きを補助する生成AIアシスタントが使われ始めています。さらに、eKYCのように、本人確認から判定までを支える仕組みも、多くの金融機関で既に運用に入っています。
ただ、活用の深さには差が出ています。スタートアップはAIを前提に新規プロダクトまで踏み込みやすい一方で、大企業は導入が進んでも戦略設計や実装が現場に追いついていないことが少なくありません。
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ベトナムでは、個人データ保護法が2026年1月1日に施行され、AI法も2026年3月1日に施行されると報じられています。
精度より先に、同意・目的管理、権限とログ、委託先管理まで含めた運用設計が問われます。
学習データと出力物の扱いも、社内ルールと契約で明文化が必要になります。
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外部環境の不確実性(貿易政策の揺れ、為替・インフレなど)に加え、法令遵守に伴う運用負荷も増えています。特に中小企業では、投資判断のハードルが一段上がります。
AWSの調査では、ベトナム企業はコンプライアンス関連コストに予算の18%を充てていると見積もっており、71%が今後3年でこの比率が上がると見込んでいます。
さらに、AI・データ人材は2026年に15〜25%の賃上げが見込まれています。内製一本で抱えるほど、固定費が重くなります。
結果として、PoCであってもKPI、回収時期、運用の手間まで説明できる提案のほうが通りやすくなります。
DX・AIの競争は、量よりもスピードと実装力の勝負に入っています。
生成AIは「効率化ツール」から一歩進み、
プロダクト開発や意思決定、業務の作り方に影響する段階に来ています。
一方で、コストと法令対応の負担は確実に重くなります。
中小企業に必要なのは「AIを入れること」ではなく、
「どの業務で、いつ回収し、誰が運用するか」を最初に決めることです。
次章では、Yopazが取るべき優先順位と実行の順番を示します。
2026年のYopazは、運用まで含めたAI基盤の整備、業務起点での要件整理と提案設計、スタートアップ向けのデモ開発・PoC支援の3つを優先します。
AIの価値は開発部門だけにとどまりません。営業・マーケティング・人事などの実務に組み込むと、結果が出やすくなります。そこでYopazは、AIを内製の共通資産として整え、業務フローに落とし込むところから進めています。
たとえば【自社R&D】では、展示会後フォローのメール対応をAIエージェントで効率化しました。要点整理と返信案作成を任せることで、営業は判断と次のアクションに集中できます。
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あわせて、現場で運用できる人材も鍛えます。部門別実務トレーニングでAIの使い方を具体業務に落とし込み、社内イベント(Yopaz Hackathon 2025など)で出たアイデアは集約して今後の実装候補として検討します。
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システム開発の前に、企業の課題を明確にすることが重要です。
DXの必要性は理解していても、「何から始めるべきか分からない」「既存システムに機能を追加したいが、全体の整合が取れるか不安」といった悩みは少なくありません。
Yopazは現場での実装経験を背景に、現状整理からゴール設定、デモ・PoCでの検証、開発、保守・運用までを一気通貫で設計します。
スタートアップには優れた構想があっても、
「どう具体化するか」「現場で回るか」を確かめる段階で足が止まりがちです。
構想段階からでもご相談いただけます。
デモ開発で検証し、PoCを経てシステム化まで段階的に支援します。
はい。Yopazは2026年に向けて、組み込み開発の提供範囲を拡大します。
これまでのシステム開発に加え、現場で動く機器側まで含めた設計・実装のニーズが増えてきたためです。
その一環として、回路設計および基板設計・製造を担うVSHOME社と業務提携し、基板・I/O・制御といったソフトとハードの接点まで含めて検討できる体制を整えました。
「VSHOME(概要)」:VSHOME - Provider of Engineering/ Manufacturing Services
変化に素早く適応し、力強く成長する。
これが、変動の大きい2026年に向けたYopazの基本姿勢です。
トレンドに追いつくだけで終わりません。そこから一段先へ進み、成長につなげます。
そしてこれからも、
ベトナムと日本をつなぐ「テクノロジーの架け橋」という使命を果たしていきます。
2026年、準備は整いました。