2023/07/31
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オフショア開発におけるセキュリティ対策は?

オフショア開発は、企業が他国の外部パートナーを活用してソフトウェア開発やビジネスプロセスを委託する方法です。このグローバルな協力体制は効率的でコスト削減にも繋がりますが、同時にセキュリティ上のリスクも懸念されます。本ブログでは、オフショア開発におけるセキュリティ対策の重要性と具体的な方法について探求していきます。

 目次
 1.オフショア開発におけるセキュリティリスクは?
 2.オフショア開発における高度なセキュリティ対策の困難性
 3.オフショア開発の一般的なセキュリティ管理方法
 4.オフショア開発でセキュリティ対策を高める方法
 5.まとめ

 

1.オフショア開発におけるセキュリティリスクは?

オフショア開発は多くの企業にとって魅力的なオプションであり、コスト削減や専門知識の活用などのメリットがあります。しかしその一方で、情報技術の進化やグローバルなインターネットの普及により、セキュリティ上の懸念も高まっています。オフショア開発には以下のようなセキュリティリスクが存在します。

①重要情報やソースコードの漏洩リスク
オフショア開発では、企業が外部のパートナーやベンダーと協力することになります。情報が外部に流出するリスクがあるため、機密情報や貴重なソースコードが漏洩する可能性があります。特に競合他社への情報流出や顧客の個人情報保護に関連する問題は深刻な影響を及ぼす可能性があります。

⓶セキュリティ対策に予算を割けない場合のリスク
企業は常に予算とリソースの配分に悩まされます。セキュリティ対策は重要ですが、他のプロジェクトや業務にも予算を割く必要があります。セキュリティへの予算が不十分だと、脆弱性や攻撃に対する対応が不十分になり、セキュリティ上のリスクが高まる可能性があります。

③知的財産保護意識の不足からくるリスク
オフショアの開発拠点や従業員が知的財産権に対する意識が不足している場合、企業の技術やノウハウ、重要なプロジェクトに関する情報が不正に流出する可能性があります。これは企業の競争力やイノベーションに大きな影響を及ぼすリスクであり、知的財産の保護が重要な課題となります。

 

2.オフショア開発における高度なセキュリティ対策の困難性

オフショア開発において高度なセキュリティ対策を実現することは、いくつかの困難さを伴います。以下は主な要因として考えられる2つのポイントです。

① 国ごとのセキュリティ意識の違い
オフショア開発を行う国々には、セキュリティ意識や法規制の違いがあります。特定の国がセキュリティ対策において他国より優れている場合でも、全てのパートナーが同じレベルのセキュリティ意識を持っているとは限りません。このような違いが協力体制におけるセキュリティの均一な実現を難しくします。

⓶コストパフォーマンスが悪いセキュリティ対策
高度なセキュリティ対策には相応の費用がかかりますが、セキュリティのために過剰な予算を割くことは企業にとって望ましいことではありません。オフショア開発においては、セキュリティ対策に適切な予算を割くことが難しく、結果としてセキュリティ上の脆弱性が残ってしまう場合があります。

 

3.オフショア開発の一般的なセキュリティ管理方法

オフショア開発において、セキュリティを確保するために重要な一般的な管理方法がいくつかあります。以下はその代表的な手法です。

①出入り管理の徹底
例えば、オフショア開発拠点の入り口にセキュリティカードを導入します。スタッフは個別に割り当てられたセキュリティカードを使用して、入室する必要があります。
また、来客者には訪問の予約とIDの提示を求め、許可された人物だけが拠点内に入れるようにします。セキュリティカメラや監視体制も導入し、不正な出入りを監視・記録します。

⓶安全な開発環境の整備
オフショア開発拠点の開発用コンピュータは、セキュリティソフトウェアやファイアウォールをインストールし、定期的なウイルススキャンを実施します。
さらに、開発者がネットワークを介して外部と通信する際には、仮想プライベートネットワーク(VPN)を使用して暗号化された通信を行います。
重要なプロジェクトに携わる開発者には、専用のセキュリティ強化された開発環境を提供し、開発以外のインターネット利用を制限することが考えられます。

③セキュリティ教育と誓約書の取り交わし
オフショア開発拠点の従業員には、定期的なセキュリティ教育を実施します。具体的な社内ポリシーやセキュリティ対策に関するトレーニングを提供し、情報の重要性や機密保持に対する理解を深めます。
さらに、従業員にはセキュリティに関する誓約書に署名させます。例えば、機密情報の外部への漏洩を防止するために、情報の持ち出しを厳しく禁じることを誓約させることがあります。

 

4.オフショア開発でセキュリティ対策を高める方法

上記のセキュリティ管理方法は一般的使用されていますが、開発過程で発生したセキュリティ問題を全て対処するわけではありません。そのため、セキュリティ対策を高める方法が必要としています。

①専用プロジェクトルームの設置
オフショア開発チームが専用のプロジェクトルームを使用することで、セキュリティを強化します。この専用ルームには、プロジェクトに関連する文書や資料が保管され、アクセス制御を行います。部外者の立ち入りを防ぐために、電子鍵やバイオメトリック認証を採用することも考えられます。

⓶日本側でPC・OSを提供する
日本側の企業がセキュリティ対策の徹底したPCやオペレーティングシステムを提供することで、セキュリティを向上させます。特に機密性の高いプロジェクトに従事するメンバーには、セキュリティが確保されたPCを使うよう指示し、外部の不正なアクセスから守ります。

③メンバーの入退室と就業の管理強化
オフショア開発拠点では、メンバーの入退室と就業時間の管理を厳格に行います。アクセス制御システムやセキュリティカメラを使用して、不正なアクセスを監視し、セキュリティ違反があればすぐに対処します。また、従業員に対してセキュリティに対する意識を高めるトレーニングを実施し、情報の漏洩リスクを減らします。

④クローズドネットワークの構築とWi-Fiの非使用
オフショア開発拠点内ではクローズドネットワークを構築し、インターネットへの接続を制限します。特定のネットワークセグメント内でのみ通信を許可し、不正な外部アクセスを防ぎます。また、Wi-Fiの使用を制限し、有線のネットワーク接続を推奨することで、不正なWi-Fi接続による情報漏洩を防止します。

⑤什器・備品の最小限化
セキュリティ上のリスクを軽減するために、プロジェクトルーム内の什器や備品を最小限に抑えます。必要な機器以外は削減し、不要な機器の存在によるセキュリティ上の脆弱性を減少させます。セキュリティに関連する機器や備品は定期的に点検し、正常に動作していることを確認します。

⑥セキュリティ事案への適切な管理体制の整備
もしセキュリティ事案が発生した場合は、適切な管理体制を整えて対処します。事案の発見から報告、解決までのプロセスを明確にし、適切な人物に対応を任せます。また、事後の対策として、同様の事案が再発しないように対策を立案・実行します。

 

5. まとめ
これらの具体的な方法を導入することで、オフショア開発におけるセキュリティ対策を強化し、機密情報やプロジェクトの安全性を確保することができます。オフショア開発においては、セキュリティを常に最優先に考え、信頼性のあるパートナーや専門家と連携し、セキュリティリスクを最小限に抑えるよう努めることが重要です。