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2026/04/21

【2026年最新】宿泊業界の主要プレイヤーはどう戦略を変えているのか?

2026年、宿泊業界の地図が塗り替わりつつある。

国内大手・外資系チェーン・OTAの主要プレイヤーたちは、

客室の稼働や価格設定の次を、すでに動き出している。

施設を運営している立場から見ると、この変化は「大手の話」では済まない。

なぜ今、業界の構造が変わっているのか。そして、どこへ向かっているのか。

 

本記事では、各プレイヤーの戦略転換を横断的に整理する。

個別の動きを点で追うのではなく、業界全体の変化として線でつなぐことで、

今何が起きているのかの全体像が見えてくる。

 

この記事で分かること

  • 宿泊業の競争は、稼働率や価格だけでは測れなくなっている

  • 国内大手は、直販・高付加価値化・運営標準化・資産再編の方向で戦略を組み替えている

  • 外資系チェーンとOTAは、日本市場の「選ばれ方」そのものを変え始めている

  • 競争の中心は、客室販売から顧客関係・滞在価値・全体最適へ移っている

  • 参考にすべきは大手の施策ではなく、近い条件で勝ち筋をつくっているプレイヤーの戦い方だ

宿泊業界の主要プレイヤーは、なぜ今そろって戦略を変えているのか?

宿泊業界ではいま、市場が伸びていても、その恩恵が均等に届いていない。

成長を取り込める事業者とそうでない事業者の差は、じわじわと広がっている。

2025年は訪日客数と旅行消費額が過去最高を更新する一方、

延べ宿泊者数全体は0.8%減となり、

日本人は3.8%減、外国人は8.2%増と伸び方に差が出ています。

「関連記事」:訪日外客数(2025年12月推計値)

「関連記事」:【2026年最新】宿泊業のバリューチェーンはどう変わるのか ? 

 

違いを生んでいるのは需要の有無ではなく、取り込み方の設計だ。

どの顧客を狙うか、どの販路で予約を獲得するか。

その差が、そのまま業績の差になっている。

競争の論点そのものも変わってきた。

客室稼働率や価格設定を見るだけでは、もう実態は読めない。

顧客接点をどう持つか、滞在価値をどう設計するか、収益をどう残すか。

「客室を売る」競争から、「収益が残る構造をつくる」競争へ移っている。

 

その変化をいち早く映しているのが、主要プレイヤーの動きだ。

彼らがどこに投資し、何を強化しているのかを追えば、

業界の競争軸がどこへ向かっているかが見えてくる。

 

実際に、星野リゾートは予約変更をオンラインで完結できるFleBOLを導入し

楽天トラベルもAIによる宿探し支援を始めている。

顧客接点や予約体験そのものを、すでに組み替えている。 

「関連記事」:ホテル業界におけるDXの成功事例5選 

国内大手ホテルチェーンは、何を強化しているのか?

国内大手に共通しているのは、客室を売る力ではなく、

収益を残す構造をつくり直していることだ。

変化は四つの方向に表れている。

  • 直販と会員基盤の強化

  • 高付加価値化の推進

  • 運営の標準化と省人化

  • 資産・ブランド構成の見直し

直販と会員基盤を強め、顧客との関係を自社で握ろうとしている

各社が動いているのは、販売チャネルの最適化ではない。

顧客との接点そのものを自社で持つことで、価格以外の訴求や追加提案をしやすくし、

需要の変化にも自社主導で対応できる状態をつくることだ。

会員基盤も、CRMというより、

顧客との継続的な関係を築くための資産として捉え直されている。

「関連記事」:【2026年最新】宿泊業では、デジタル化によって収益モデルはどう変わっているのか? 

 

星野リゾートの「FleBOL」はその象徴だ。

2025年10月から一部施設で導入されたこの仕組みでは、公式サイト経由の予約について、

チェックイン当日朝まで人数・部屋タイプ・プラン・日程の変更をオンラインで完結できる

予約後の利便性まで公式導線に組み込んでいる点が、

OTA経由では代替しにくい価値になっている。

西武グループもSEIBU PRINCE CLUB会員基盤の拡大を進めており

ホテル事業を含むグループ全体で顧客との関係を強めようとしている。 

「泊まる理由」を部屋の外に広げ、高付加価値化を進めている

立地や価格で選ばれる競争は、どこかで頭打ちになる。

各社が向かっているのは、宿泊そのものに「来る理由」をつくることだ。

地域の文化や体験を組み込み、価格だけでは比較されない文脈をつくることで、

単価を引き上げやすくする。

 

星野リゾートはその典型だ。

歴史的建築を活用した「星のや奈良監獄」を2026年6月に開業予定とし

施設そのものを体験の核に据えている。

福井県あわら市とは観光まちづくりの連携協定も結んでおり

施設の外側にある地域ごと価値に変えようとしている。

 

藤田観光も2025年12月期に、高付加価値商品の提供と海外セールス強化で

インバウンド宿泊者数と利用単価が上昇したと明示している。

単価を上げるための手段として、高付加価値化はすでに機能し始めている。

省人化を前提に、運営を標準化し直している

変わっているのは、誰がどの業務を担うかという話だけではない。

「人がいないと回らない」オペレーションから抜け出すこと自体が、戦略になっている。

標準化された仕組みは、品質を人に依存させず、

需要が増えても同じコスト構造で回しやすくする。

 

アパホテルの「当日オートチェックイン」はその一例だ。

事前決済予約を対象に、到着日当日に自動でチェックイン手続きが完了し、

ホテル到着後は「1秒チェックイン専用機」にQR会員証をかざすだけで入室できる。

フロントに人を張り付けなくても、一定の品質で大量をさばける状態をつくっている。

運営の標準化が進むほど、1施設あたりの固定費を抑えながら展開しやすくなる。

 

既存資産を見直し、利益の出る構成へ組み替えている

新規開業だけが変化ではない。

既存の資産をどう使うか、どう組み合わせるかを見直すことで、

利益の出る構造をつくり直している。

 

藤田観光は2025年12月期、客室改装による売り止めが発生しながらも利用単価を引き上げた

稼働日数より資産の質を優先した判断だ。

アパグループも2025年6月にイシン・ホテルズ・グループを完全子会社化し、

「the b」16ホテルをネットワークに加えている。

 

西武・プリンスホテルズワールドワイドも国内外250ホテル体制の構築を掲げる

各社の動きに共通しているのは、1施設の最適化より、

どのブランド・資産群で利益をつくるかという視点へ軸足が移っていることだ。

 

直販、滞在価値、運営、資産活用。手段はそれぞれ違う。

だが各社が向かっているのは同じ方向で、

「どこで主導権を持ち、どこで利益を残すか」を作り直すことだ。

次のセクションでは、外資系チェーンが同じ変化にどう向き合っているのかを見ていく。 

外資系ホテルとOTAは、日本の競争ルールをどう変えているのか?

国内大手の動きだけを見ていると、日本の宿泊市場を内側からしか読めない。

競争ルールを押し広げているのは、外資系ホテルとOTAでもある。

  • 外資系チェーン:ブランド・会員基盤・開発力で日本市場の存在感を拡大

  • OTA:予約窓口から、需要 を見つける入り口へ

競争の基準は、施設単体からネットワーク・発見経路・顧客接点を含むものへ移りつつある。

外資系チェーンは日本市場を成長市場と見ている

外資系チェーンは、日本に拠点を置くだけではない。

日本を成長市場と位置づけ、展開を戦略的に進めている。

IHGは2025年2月時点で日本の開業ホテル数が50軒に達したと公表し、

日本を重点市場と明言した。

沖縄へのANAクラウンプラザ進出や札幌でのインターコンチネンタル初開業など、

拡大は都市部にとどまらない。

国内施設が比較される相手は、じわじわと変わっている。 

「関連記事」:IHG Hotels & Resorts hits 50 open hotels milestone in Japan - InterContinental Hotels Group PLC 

OTAは集客チャネルから、需要発見のエンジンへ変わりつつある

楽天トラベルは2025年9月、「楽天トラベルAIホテル探索」を開始した。

口コミ、予約トレンド、宿泊プランなどのデータをもとに、

自然言語で入力された曖昧な要望から候補を提案できる仕組みで、最大30件まで比較できる。

OTAは、予約の受け皿にとどまらず、宿探しの初期段階にも影響力を広げ始めている。 

「関連記事」:Rakuten Travel Launches Rakuten Travel AI Hotel Search, an AI Agent Offering Users Tailored Hotel Recommendations | Rakuten Group, Inc. 

 

外資系チェーンの拡大とOTAの進化が重なることで、

宿泊施設が比較される文脈は変わっている。

近隣の類似施設との横並び比較だけでなく、どのブランドと同じ土俵に乗るか、

どの導線で埋もれるかまでが、競争の中身になっている。

競合リストを見直すより先に、

「誰と比べられているか」の前提を疑うべき局面かもしれない。 

主要プレイヤーの動きから、宿泊業の競争はどこへ移るのか?  

ここまで見てきた主要プレイヤーの動きから、宿泊業の競争軸は以下の方向へ移っている。

  • 稼働率の競争から、利益率の競争へ

  • 集客の競争から、顧客関係の競争へ

  • 客室販売から、滞在価値の設計へ

  • 人手の運営から、標準化されたオペレーションへ

  • 単館最適から、ブランド・会員・データを含む全体最適へ

変わっているのは個別の施策ではなく、何をもって競争力とみなすかの基準そのものだ。

稼働率の競争から、利益率の競争へ

以前は、客室を埋められるかどうかが競争力の中心だった。

しかし、稼働率が高くても、利益が残らない構造では意味がない。

どの顧客を、どの価格で、どの販路で取るか。

その設計の差が、そのまま収益の差になっている。 

集客の競争から、顧客関係の競争へ

予約を取ることと、顧客との関係を持つことは違う。問われているのは後者だ。

直販や会員基盤の強化が各社で目立つのも、予約の入口を自社で握ることで、

滞在前後も含めた接点を持てるようにするためである。

その接点があるかどうかが、価格以外の価値を伝えられるかどうかの差になっている。 

客室販売の競争から、滞在価値の設計競争へ

立地や価格、客室スペックだけでは、もう差がつきにくい。

主要プレイヤーが向かっているのは、

「なぜそこに泊まるのか」という理由をつくることだ。

地域の文化や体験を組み込み、その場所でしか得られない滞在をつくることで、

価格比較の外に出ようとしている。 

人手の運営から、標準化されたオペレーションへ

人の経験や現場対応力に支えられた運営は、

品質が属人的になりやすく、拠点が増えるほど管理が難しくなる。

いま重視されているのは、誰が担っても同じ品質で回せる仕組みだ。

省人化はその手段であって、目的はコスト削減より、再現性のある運営をつくることにある。 

「関連記事」:【2026年最新】宿泊業界の構造変化と従来モデルの限界 ~価格では勝てない時代の成長戦略~ 

単館最適の競争から、ブランド・会員・データを含む全体最適の競争へ

競争の単位が変わってきた。

1施設の出来不出来だけでなく、ブランド、会員基盤、

データをどう組み合わせて利益をつくるかが問われている。

この競争では、大手ほど有利になりやすい。

複数ブランドを持ち、顧客基盤を蓄積し、施設間で価値をつなげられるからだ。

中堅・地域施設にとっては、同じ土俵で正面から競うより、

どの競争軸なら自社に分があるかを見極めることの方が、実質的な問いになっている。 

 

つまり、競争の前提が変わっている。

稼働率や価格だけでは、もう実力は測れない。

主要プレイヤーの動きが示しているのは、顧客との関係をどう握り、

利益が残る構造をどうつくるかが、競争力の中身になってきたということだ。

個別施策の数より、自社の勝ち筋をどう設計するかが問われている。 

「関連記事」:【2026年最新】宿泊業のバリューチェーンはどう変わるのか ? 

 

では、自社はどのプレイヤーの戦い方を参考にすべきか?

主要プレイヤーの動きは参考になる。

ただ、表面的に施策をなぞるだけではうまくいかない。

規模、立地、顧客層が違えば、同じ打ち手でも意味は変わるからだ。

ここでは、自社の戦い方を選ぶうえで押さえたい3つの視点を整理する。  

自社は、誰と同じ土俵で戦っているのか

まず必要なのは、自社がいまどのセグメントにいるのかを把握し、

近い条件で戦っているプレイヤーを見つけることだ。

その相手がどこを勝ち筋にしているかを読むほうが、

業界トップの動きを追うより実用的な問いになる。 

そのプレイヤーは、何を勝ち筋にしているのか 

見るべきなのは施策の数ではなく、

その企業が何を競争の軸に選んでいるかだ。

直販を強めているとして、それは利便性向上のためなのか、

顧客関係を自社で握るためなのか。

同じ動きでも、目的が違えば意味は変わる。

表面の施策より、どこで主導権を持とうとしているのかを読む方が、参考になる。  

自社は、最初にどの競争軸を動かすべきか

戦い方を選ぶ判断軸は複数ある。

自社にとって最も切迫した課題はどこか。

業界全体の動きと照らして、外してはいけない方向はどこか。

そして、他社がまだ十分に押さえていない要素はどこにあるのか。

 

3つの視点で整理すると、何から着手すべきかが見えやすくなる。

すべてを一度に動かす必要はない。

自社にとって最も切迫した課題から始め、

一手ずつ競争軸を変えていくことが現実的だ。

 

Yopazは、AI・DX・ITを軸に宿泊業の支援を行っている。

自社に合った進め方を整理したい場合は、一度相談してほしい。

おわりに

主要プレイヤーの動きを追う意味は、市場の方向をつかむことにある。

ただ、その戦い方をそのまま持ち込んでも、自社の条件が違えば成果にはつながらない。

規模、立地、収益構造が異なるなかで、

どの競争軸を最初に動かすべきかの判断は、簡単ではない。

 

Yopazは、宿泊業のDX戦略を専門領域の一つとして、検討から実行まで支援している。

市場の動きを踏まえながら、

自社にとって現実的な打ち手を整理したい場合は、一度相談してほしい。

よくあるご質問

Q

Q.国内大手ホテルチェーンと外資系チェーンでは、戦略の変え方にどんな違いがあるのか?

A

A.国内大手は、地域体験や運営改善、会員基盤の強化を通じて、既存資産の価値を高めることに重心を置く傾向がある。外資系チェーンは、ブランド力・会員プログラム・開発力を組み合わせながら、日本市場での展開そのものを広げようとしている。

Q

Q.OTAの影響力が強まる中で、宿泊施設は何を自社で持つべきなのか?

A

A.OTAを使わないことが目的ではない。OTAに依存しすぎない状態をつくれるかどうかが差になる。そのために自社で持つべきなのは、公式サイトの予約導線、会員基盤、滞在前後も含めた顧客との接点だ。予約を一度取ることより、その顧客との関係を誰が持つかが問われている。

Q

Q.中堅・地域宿泊施設でも、主要プレイヤーの戦略から学べることはあるのか?

A

A.学ぶべきなのは投資規模や機能ではなく、どこを勝ち筋にしているかという考え方だ。価格で戦わず滞在価値で選ばれる、予約導線を整えて顧客接点を持つ、運営を標準化して負荷を下げる。こうした発想は、規模に関係なく応用できる。

Q

Q.自社が今、どの競争軸で戦っているかはどう見極めればいいのか?

A

A.が重いのか、リピーターが弱いのか、人手に頼る運営が限界なのか。課題を一つに絞ると、自社が今どの競争に巻き込まれているかが見えてくる。

Q

Q.主要プレイヤーの戦略を、そのまま真似してはいけないのはなぜか?

A

A.同じ施策でも、条件と目的が違えば結果は変わる。規模、立地、顧客層、投資余力が異なれば、同じ打ち手でも効果の出方は違う。参考にすべきなのは施策そのものではなく、その企業がどこで主導権を握ろうとしているかという戦い方だ。

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