
展示会のあとって、やることが山ほどありますよね。Japan IT Week 春 2025では、私たちYopazも数百名を超える方々と名刺交換をさせていただきました。でも、実は一番大変なのはその「後」。誰とどんな話をしたかを思い出しながら、それぞれに合ったフォローアップメールを送る作業は、なかなかに骨が折れます。
そんな中で、今回は自社で開発したAIエージェントを使って、この展示会後のメール対応を一気に効率化してみました。この記事では、私たちが試してみたプロセスと工夫を、できるだけリアルにお伝えできればと思います。軽く読み進めていただけたら嬉しいです。
名刺OCRで、顧客情報を即時データ化
展示会で名刺を大量に受け取ったあとの「データ化作業」は、多くの企業にとって時間のかかるルーティンです。私たちも例外ではなく、これまでは1枚ずつ手入力し、CRMに転記していました。今回、その業務にAIエージェントのOCR機能を活用してみました。
名刺を読み込むだけで、名前・会社名・役職・メールアドレス・電話番号・所在地などの情報を自動で抽出。高い精度を誇り、手入力に比べて修正がほとんど不要なため、大幅に時間を節約できました。このOCR機能は、社内の開発チームで実証と調整を重ねながら運用しています。
こうした即時データ化によって、営業リストの整備にかかる時間を大幅に短縮し、その分、フォロー内容の検討やメール文面の作成に集中できるようになりました。
会話メモから関心を抽出し、返信内容をパーソナライズ
展示会では、お客様との短いやり取りの中にも、貴重なヒントがたくさん詰まっています。たとえば「工場内で従業員の服装やマスクの着用状態を画像認識で確認できないか」や「全国展開する飲食店が人手不足を解消し、IT化を進めるためにパートナーを探している」といった一言が、後の提案内容を大きく左右します。
Yopazでは、現場の担当者が残した会話メモをもとに、AIエージェントが自然言語処理を使ってお客様の関心領域を分類・タグ付けできるように設計しました。「画像認識で従業員のマスク着用確認」や「飲食店のIT化」など、複数の分類軸に沿って関心を整理。
さらに、それぞれのタグに応じて、自社の過去実績から関連性の高い事例を自動でレコメンド。たとえば「画像認識で従業員のマスク着用確認」に関心を示されたお客様には、Smart Camera Solutionの事例を添付するような形で、自動返信文を構成します。
分析結果から生まれた、個別対応の完璧なメール文面
このAIエージェントは、既存のフレームワークを活用し、私たちの業務に合わせたカスタマイズを加えた上で、効果的に運用されています。名刺OCRのデータ化や会話内容の分類などをスムーズに行い、ほぼ手を加えずに高精度なメール文面を生成することができました。
- お礼と名乗り(展示会来場客へのお礼)
- 会話内容の軽いリマインド
- 関心に合わせた事例紹介
- 次のアクション(面談のご提案など)
もちろんプロンプトは裏側で調整することが可能です
この流れを、来場客の業種や役職、関心内容に応じて微調整することで、違和感のないパーソナライズが可能になりました。実際、メール文面には最小限の修正で対応できるケースが多く、担当者の手間を大きく減らすことができています。
今後の展開:SNS自動返信の個別対応化と迅速なサポート
YopazではAIエージェントを展示会後のメール対応にとどまらず、SNSでの自動返信機能にも応用できないか検討を進めています。SNSメッセージやウェブフォームに自動返信を設定している企業は多いものの、その内容は「詳細についてはメッセージを送ってください」といった、一般的で定型的な返答がほとんどです。
そこで、Yopazでは、SNSメッセージや問い合わせ内容をAIが解析し、より具体的かつ関連性の高い情報を自動で提供できるシステムの開発を目指しています。ホームページに導入された「Yoparin」は、資料やWebページのURLだけで簡単に利用を開始できるノーコード型AIチャットボットです。これにより、顧客とのやり取りを一層スムーズにし、迅速かつ的確なサポートを提供する第一歩を踏み出しました。
おわりに
展示会が終わった瞬間から始まるのが、見込み客との大切なフォローアップ。しかし従来は、ありがたいことに多数のお問い合わせをいただく一方で、メール対応に多くの時間と人手が必要となり、スムーズな対応が難しい場面もありました。
そこで私たちは自社AIエージェントを導入し、対応を自動化。AIエージェントは、今やただの技術革新にとどまらず、ビジネスの現場で大きな支援をしてくれる存在です。
今後、YopazはさらにAIエージェントの研究と開発を進めていきます。今後もより多くの分野で活用できるような機能を追加し、AIの可能性を最大限に引き出していく予定です。そのため、AIエージェントは今後の成長を支える重要なツールとなり続けるでしょう。
YopazのAIエージェントが、どのように業務を変えるのか。詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。