2024/05/26
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ERP/RPAとは?各企業のDX推進トレンドに対する役割

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、現代のビジネス環境において不可欠な要素となっています。企業は競争力を維持し、顧客の期待に応えるために、デジタル技術を活用して業務プロセスの効率化や革新を図る必要があります。その中でも、ERPとRPAのソリューションは、DX推進において重要な役割を果たしています。本ブログでは、DX推進の必要性を理解し、ERPとRPAの特徴およびそれぞれが企業のDX推進にどのように貢献するかについて詳しく解説します。これにより、読者の皆様が自身の企業におけるDX推進の戦略をより効果的に構築するためのヒントを得られることを目指します。

 1. DX推進の必要性
 2. ERPとは?特徴とDX推進に対する役割
 3. RPAとは?特徴とDX推進に対する役割
 4. ERPとRPA導入時の事前準備
 5. まとめ

 

1. DX推進の必要性

 

DX推進の必要性
市場の変化が加速する中で、企業は迅速かつ柔軟に対応し、業務プロセスの自動化と最適化を通じてリソースを戦略的に活用する必要があります。
デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することで、企業はデータを効果的に活用し、個々の顧客ニーズに対応したサービスを提供し、新たなビジネスモデルや市場機会を創出することが可能になります。これにより、持続的な成長と競争優位性を確保することができます。

日本におけるDX推進の取組状況
日本はこの数年、高齢化による人材不足と生産性向上の需要を契機としてDX推進トレンドが高まっています。「DX王」というDX戦略の立ち上げをサポートするメディアによって、2022年度(見込み値)の国内DX市場は2兆7277億円であり、2020年度から2年間で1兆3456億円も市場が拡大しているそうです。
このようにDX推進トレンドの背景では、ERPやRPAなど業務効率化のソリューションはますますその重要な役割を示しています。

 

2. ERPとは?DX推進に対する役割

ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業の経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」を集約して適切に分配し、活用するための考え方や、それを実現するシステムです。主要業務に必要なデータの統合や管理によって、情報活用を促進し、迅速な経営判断を可能にします。ERPシステムは、統合基幹業務システムや業務統合パッケージとも呼ばれ、業務効率化や情報一元化を目的に導入されます。

 

DX推進に対する役割
①業務の効率化と最適化:ERPシステムは、各部門の業務プロセスを標準化し、自動化することで効率化を図ります。これにより、時間とリソースの節約が可能となり、企業全体の生産性が向上します。
②データ駆動型の意思決定:ERPは、企業全体のデータを統合し、リアルタイムでの分析を可能にします。経営者は正確なデータに基づいて迅速な意思決定を行うことができ、戦略的な判断が強化されます。
③部門間の連携強化:ERPは、各部門のデータを一元管理することで、部門間の情報共有とコミュニケーションを円滑にします。これにより、部門ごとのサイロ化を防ぎ、全社的な協力体制が構築されます。
④顧客体験の向上:ERPシステムは、顧客データを統合し、顧客のニーズに応じたサービスを提供することが可能になります。これにより、顧客満足度が向上し、リピーターの獲得やロイヤルティの強化が図られます。
⑤柔軟な対応力の向上:ERPの導入により、企業は市場の変化や新しいビジネス機会に迅速かつ柔軟に対応する力を持つことができます。新しいプロセスやシステムの統合も容易になり、企業のアジリティが向上します。

ERPは、企業のDX推進において中心的な役割を果たし、効率化、データ駆動型の意思決定、部門間の連携強化、顧客体験の向上を実現するための強力なツールです。次に、RPAの特徴とDX推進に対する役割について見ていきましょう。

 

3. RPAとは?DX推進に対する役割

RPA(Robotic Process Automation)は、パソコンなどを用いて行っている事務作業を自動化するソフトウェアロボット技術のことを指します。具体的には、データ入力、トランザクション処理、メール送信など定型的で反復性の高い業務をRPAを活用して自動化することができます。RPAは「デジタルレイバー」とも呼ばれ、広範囲にわたる作業を自動化できる特徴があります。

 

DX推進に対する役割
①業務プロセスの効率化:RPAは、手動で行われている定型業務を自動化し、迅速かつ正確に処理します。これにより、従業員はより付加価値の高い業務に集中できるようになり、全体的な業務効率が向上します。
②コスト削減:自動化によって作業時間が短縮され、人件費が削減されるため、企業の運営コストが大幅に削減されます。また、24時間365日稼働できるため、生産性が向上します。
③データの精度と一貫性の向上:ソフトウェアロボットは設定されたルールに従って正確に作業を行うため、人為的なミスを減少させ、一貫した高品質のデータを提供します。これにより、データの信頼性が向上し、業務の透明性が確保されます。
④迅速なROI(投資対効果):RPAの導入は比較的短期間で効果が現れるため、迅速な投資対効果が得られます。短期間での導入と成果の見える化が可能なため、企業は速やかにデジタル変革の恩恵を受けることができます。
⑤従業員満足度の向上:単調で反復的な作業を自動化することで、従業員の負担が軽減され、より創造的で価値の高い業務に従事する時間が増えます。これにより、従業員の満足度とモチベーションが向上します。
⑥コンプライアンスとリスク管理の強化:RPAは規定通りの操作を一貫して実行するため、コンプライアンスの遵守とリスク管理が強化されます。特に金融業界や医療業界など、厳格な規制が求められる分野で有効です。

 

4. ERPとRPAシステムの導入時の事前準備

ERPとRPAシステムを導入する前に、導入計画を立てたりするなど事前準備がとても大事です。以下に、企業が準備すべき主要なステップを提案しており、こ
のステップをしっかりと踏むことで、導入プロジェクトの成功確率を高めることができます。

 

ステップ①:経営陣の理解とサポート
ERP/RPA導入の成功には、経営陣の理解とサポートが重要です。まず、経営陣が導入の目的や期待される効果を十分に理解し、明確なビジョンを共有しましょう。このビジョンが全社的に共有されることで、プロジェクトの方向性が一貫し、全従業員の協力が得られやすくなります。
次に、プロジェクトを円滑に推進するためには、リーダーシップチームを確立し、経営陣からの強力な支援を確保することが必要です。リーダーシップチームは、プロジェクトの進行を監督し、課題が発生した際には迅速に対応する役割を担います。

 

ステップ②:現状の業務プロセスの把握と改善
現状の業務プロセスの把握と改善は、ERP/RPA導入の成功に不可欠なステップです。まず、現在の業務プロセスを詳細に分析し、無駄な手順や効率の悪い部分を特定します。この段階では、各部門からのヒアリングや現場観察、データ収集などを通じて、業務の流れを正確に把握することが重要です。
次に、特定した課題に対してプロセスの最適化を行います。無駄を排除し、業務の流れを合理化することで、システム導入後の効果を最大化する準備を整えます。

 

ステップ③:要件定義と目標設定
まず、ERP/RPAシステムに求める機能や要件を明確に定義する必要があります。これには、各部門のニーズを詳細に把握し、システムが対応すべき業務プロセスや機能を具体的に洗い出す作業が含まれます。この段階では、もし社内でIT専門部がなかったら、DX推進のコンサルティング会社やシステム開発会社に依頼することもよい選択肢の一つです。これらの会社は専門知識と豊富な経験を持っているため、企業の現状に最適した提案を提供できます。
次に、導入後にその効果を測定するための具体的なKPI(主要業績評価指標)を設定します。このKPIは、システムの導入がどの程度目標を達成したかを定量的に評価するための基準となります。

 

ステップ④:適切なベンダーの選定
ERP/RPAシステムの導入方法は大きく2つあります。企業の規模や需要によって最適した方法を選択しましょう。
・フルスクラッチで作成する方法: これは新しい業務システムを構築するアプローチです。企業のニーズに合わせてERPシステムをカスタマイズし、必要な機能を一から開発します。
・パッケージをインストールする方法: こちらは既存のERP製品を選択して導入する方法です。ERPベンダーが提供するパッケージを選び、カスタマイズや設定を行いながら導入します。
フルスクラッチ型ならシステム開発会社に依頼し、パッケージ型ならERP/RPAシステムの販売会社を検討した方が良いです。
どのような形で依頼しても、ベンダーを選定する際にはまずベンダーの技術力、実績、サポート体制などを総合的に比較検討する必要があります。また、他社の導入事例を参考にすることで、実際にどのような効果が得られているかを検証しましょう。

 

ステップ⑤:インフラと技術的準備
インフラと技術的準備は、ERP/RPA導入の基盤を整えるために欠かせないステップです。まず、必要なハードウェアやネットワーク、セキュリティ対策を整備し、システムが安定して稼働できるITインフラを構築します。
次に、既存システムから新システムへのデータ移行計画を策定し、データのクレンジングを行います。このプロセスでは、データの正確性と整合性を確保するために、不正確なデータや重複データを排除し、新システムでのスムーズな運用を可能にします。
これにより、システム導入後のトラブルを最小限に抑え、効果的な運用を実現できます。

 

ステップ⑥:トレーニングとサポート
トレーニングとサポートは、ERP/RPA導入後の円滑な運用を支える重要な要素です。まず、従業員が新システムを効果的に利用できるよう、トレーニングプログラムを実施します。このプログラムでは、各ユーザーの役割に応じた操作方法やベストプラクティスを習得させ、システムの最大活用を促します。
次に、導入後の運用支援やトラブル対応のためのサポート体制を構築します。この体制には、専任のサポートチームの配置や問い合わせ対応のためのヘルプデスクの設置が含まれます。
これにより、従業員はシステム使用中の問題を迅速に解決でき、生産性を維持しながら新システムのメリットを最大限に引き出せるようになります。

 

ステップ⑦:パイロット導入とテスト
まず、一部の部門やプロセスでパイロット導入を行い、システムの実際の運用状況を評価します。この段階では、システムが期待どおりに機能し、ビジネスプロセスにどのように影響を与えるかを実証することが重要です。
また、パイロット導入の結果を収集し、フィードバックを活用してシステムの改善点を特定します。このフィードバックに基づいて、必要な調整や修正を行い、システムをさらに洗練させていきます。
こうしたテストと改善のプロセスを通じて、最終的に全社的な導入に向けた準備を整え、ERP/RPAの効果的な導入と運用を確保します。

 

ステップ⑧:本格導入と運用
本格導入と運用は、ERP/RPAの導入プロセスの最終段階であり、システムを全社的に展開して運用を開始する段階です。
まず、パイロット導入で得た知見やフィードバックを元に、システムを全社的に展開します。この展開プロセスでは、各部門や担当者に対するトレーニングやサポートを提供し、システムの効果的な活用を促進します。
そして、導入後は運用管理を行い、システムの定期的な監視や効果の評価を行います。必要に応じて改善や調整を行いながら、システムを継続的に最適化し、企業の業務プロセスの効率化や生産性向上に貢献します。

 

5. まとめ
このように、DXの推進には、ERPとRPAという強力なテクノロジーが欠かせません。ERPは企業の経営資源を効果的に統合し、業務効率化やデータ駆動型の意思決定を実現します。一方、RPAはルーチン業務を自動化し、コスト削減やデータ精度の向上を促進します。
これらのテクノロジーを導入する際には、経営陣の理解とサポート、業務プロセスの最適化、要件定義や目標設定が重要です。そして、適切なベンダーの選定やインフラの整備、従業員のトレーニングとサポートを通じて、成功を導きます。パイロット導入とテストを経て本格導入に移り、運用管理を行いながら、企業の競争力を強化し、顧客満足度を高める道筋を描きます。
ERPとRPAシステムの導入は、DX推進における欠かせないパートナーであり、企業の未来を明るくする鍵となるでしょう。