2023/07/03
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【オフショア開発】請負契約とラボ契約とは?

オフショア開発は、国境を越えて行われるソフトウェア開発やビジネスプロセスの外部委託の一形態です。これには、請負契約とラボ契約の2つの主要な契約形態が存在します。請負契約は成果物の納品を重視し、仕様に基づいて進められます。一方、ラボ契約は一定期間、専属のエンジニアチームを確保し柔軟な開発が可能です。このブログでは、両契約の特徴について詳しく解説していきます。

 目次
 1.オフショア開発とは?
 2.請負契約の特徴とメリット・デメリット
 3.ラボ契約の特徴とメリット・デメリット
 4.それぞれに相性の良い案件
 5.まとめ

 

1.オフショア開発とは?

オフショア開発とは、企業が自社の国外(通常はコストが比較的低い地域)にある外部の開発会社やチームを利用してソフトウェア開発やプロジェクトを行うことです。主な目的は、以下のような点があります:

・コスト削減:開発にかかる費用を削減するために、低コストな海外のリソースを活用します。
・専門知識の活用:海外のエンジニアや開発チームには、特定の技術や業界知識を持った専門家が多く存在する場合があります。
・柔軟性とスケーラビリティ:開発プロジェクトの規模や期間に応じて、外部のリソースを柔軟に追加・削減することができます。

オフショア開発は、グローバルな協業やリソースの最適化を可能にし、企業の競争力向上に貢献する手段となっています。次に、請負契約の概念とそのメリット・デメリットについてご説明します。

 

2.請負契約の特徴とメリット・デメリット

請負契約は、オフショア開発における一つの契約形態です。この契約では、発注企業(顧客)が開発プロジェクトの成果物を受け取るために、外部の開発会社やチームに対して納期や仕様に基づいて業務を委託します。請負契約の特徴は次のとおりです。

【メリット】

・専門知識の活用:開発会社やチームは、専門的な技術やノウハウを持っており、高品質な成果物の提供が期待できます。

・納期と仕様の確定:発注時に具体的な要件や納期が決められ、開発プロセスに関与する必要が少ないため、顧客は時間とリソースを節約できます。

・責任の委託:外部の開発チームに責任を委託するため、顧客は開発プロジェクトのリスクや管理について心配する必要がありません。

【デメリット】
・柔軟性の制約:契約期間中は仕様変更や追加の対応が難しく、要件が固定化されることがあります。

・直接のコミュニケーションの制約:外部の開発チームとのコミュニケーションには時間差や文化の違いがあり、円滑なコミュニケーションに課題が生じることがあります。

・プロジェクト管理の負担:顧客は契約管理や品質管理などのプロジェクト管理負担を負う必要があります。

 

3.ラボ契約の特徴とメリット・デメリット

ラボ契約(またはラボ型開発)は、オフショア開発におけるもう一つの契約形態です。この契約では、一定期間(通常は半年から1年程度)にわたって、海外の優秀なエンジニアを一定数確保し、システム開発プロジェクトを進めることができます。ラボ契約の特徴は次のとおりです。

【メリット】
・一定期間の専属エンジニアチーム:ラボ契約では、一定期間にわたって自社専属のエンジニアチームを海外に持つことができます。案件の有無に関わらず、継続的な開発リソースを確保できます。

・仕様の柔軟な対応:ラボ契約では、仕様が明確に決まっていない開発プロジェクトや仕様変更が多いプロジェクトにも柔軟に対応できます。

・ノウハウの蓄積と効率的な開発:ラボ契約先(オフショア先)でも業務知識や開発プロセスなどのノウハウを蓄積し、効率的な開発を行うことができます。

【デメリット】

・コミュニケーションの課題:ラボ契約では、海外のエンジニアとのコミュニケーションに課題が生じる場合があります。時間差や言語・文化の違いによる認識のズレに注意が必要です。

・コストと契約期間の制約:ラボ契約には一定の費用がかかるため、コストを抑えながら効果的な契約期間を設定する必要があります。

例えば、発注企業(顧客)の業務量がコンスタントではない時期もあるため、海外のエンジニアは処理に必要なタスクがなくなり、暇になり過ぎるケースが発生します。海外のエンジニアが働いていないのに、発注企業はまだ契約に定められた報酬を支払わなければならないのです。そのため、発注者はプロジェクトや社内リソースの状況に応じて効果的な契約期間を設定する必要があります。

 

4.それぞれに相性の良い案件

請負契約とラボ契約はそれぞれの特徴を持っているため、契約形態の選定方法は、プロジェクトの要件とリスクに応じて検討することが重要です。以下、請負契約とラボ契約の違いを案件の特徴別にまとめます。

指標請負契約ラボ契約

相性の良い案件

・小規模または、想定開発期間が短い
・仕様や設計書を予め固めることができ、開発中に仕様の変更が多く発生しない

・要件が明確になっていない
・定期的に運⽤保守作業を依頼したい
・定期的に案件があり、⾃社専⽤の優秀な⼈材を確保したい
・⾃社のリソースが不足のため、⼀時的に開発ラインを増強したい
・オフショア開発のノウハウを蓄積したい

開発モデルウォーターフォール型アジャイル型

 

5.まとめ

オフショア開発における請負契約とラボ契約は、それぞれ異なる特徴とメリット・デメリットを持っています。請負契約は明確な仕様と納期を重視し、リスクを受託者が負います。一方、ラボ契約は柔軟性とエンジニアリソースの確保が可能です。

それぞれの契約形態は、案件の性質や要件によって相性があります。プロジェクトのニーズに合わせて適切な契約形態を選択することが重要です。

オフショア開発における請負契約とラボ契約の違いを理解し、プロジェクトの成功につなげましょう。